サカナ記念日

神秘熊野から魚便りをお届けします。

今が旬! 熊野の天然ブリのおすすめレシピを紹介

 今、熊野の天然ブリが旬を迎えています。ブリというと日本海側の氷見ブリ、佐渡ブリなど真冬が旬のブリを思い浮かべる方が多いと思います。ブリは回遊魚ですので、場所によって旬は異なります。熊野周辺で揚がるブリは「桜ぶり」などと呼ばれており、桜の季節が旬なのです。熊野のブリの特徴は、爽やかな味わいです。ブリですのでもちろん脂は乗っているのですが、くどさがなく、パクパク食べることができます。身の色は赤というより桜色に近いです。

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今回は熊野の天然ブリを使ったおすすめレシピを紹介します。まずは定番のお刺身です。しっかり脂が乗っていますが、くどさはなくて食べやすいです。

 

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次も定番のブリ大根です。ブリのアラから出た旨味が大根にしっかりしみ込んでいます。濃厚な味わいの純米酒によく合います。銘柄で言うと、天狗舞の山廃仕込純米酒などと相性が良いです。もちろんご飯のお供にも最適です。

 

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あとはブリの内臓を使った料理もおすすめです。内臓は鮮度の劣化が早いので、都市部にはほとんど出回らないかもしれません。熊野のスーパーなどでは普通に売っています。肝臓、胃袋、卵などは煮つけがおすすめです。肝臓はバターソテーなどにしても美味しいですね。そして、白子はさっと茹でて白子ポン酢で!クリーミーな味わいがたまりませんね。

 

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いかがでしたでしょうか。今が旬の熊野の天然ブリを使ったおすすめレシピを紹介しました。桜と共にやってくる熊野の天然ブリは、春の到来を告げる風物詩です。桜の花のように華やかでどこか可憐でもある熊野のブリを是非ご賞味下さいませ。桜の花が散ってしまう前に。。。熊野のブリは大阪や名古屋などの大都市でも流通しています。料理屋やスーパーなどで見かけたら、是非食べてみて下さい!ブリの内臓に興味がある方は、熊野まで是非おこし下さいませ!地元のスーパーでも売っています。

 

 

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100kgのマグロを頭上運搬! 熊野の女性の恐るべきパワーとは

今回は熊野の滅びゆく習俗を紹介いたします。それは「イタダキ」です。熊野では頭上運搬のことを「イタダキ」と呼んでいます。頭上運搬は熊野だけではなく、京都や瀬戸内海、九州など全国的に存在していた習俗です。京都の大原女などが有名ですね。頭上運搬をしている様子の埴輪が古墳から発掘されており、古代から存在した習俗だったと思われます。昭和時代には姿を消したといわれています。世界に目を向けると、アフリカや東南アジア、インドなどでは現在でも頭上運搬を行っている地域があるようです。

 

日本においては、ほぼ滅んでしまった頭上運搬、実は、熊野では細々とではありますが、現在でも残っているのです。熊野でイタダキを行っていた地域は主に海辺の集落です。具体的には木本、大泊、磯崎、遊木などです。これらの集落は狭い斜面が多かったり、砂浜だったりと頭上運搬が適する地形だったのでしょう。これらの地域の方々に聞き取り調査をしたところ、現在は磯崎でのみ細々と残っていることが分かりました。今でも狭い斜面をイタダキで物を運ぶ人がいるとのことです。

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遊木の町の様子です。このような狭い斜面が沢山あります。

イタダキは主に女性が行うものでした。かつての海辺の町では、男性は漁、女性は運搬という役割分担ができていたことが理由のようです。では、かつての熊野の女性はどのような物をイタダキで運んでいたのでしょうか。魚、醤油樽、材木、野菜などあらゆる物を運んでいたそうです。驚くべきことに、90kg程の醤油樽を一人でイタダキすることができて始めて、一人前と認められていたそうです。マグロやサメなどの大型の魚を丸ごと頭に乗せて行商することもあったようです。凄すぎる。。。男性の私でも到底無理です。首の骨がへし折れそうです。昔の人は現代人と比べて体格は小さかったにも関わらず、体力は現代人を大きく上回っていたのでしょう。

 

熊野で現在も細々と続いているイタダキですが、間もなく滅び去ってゆくことでしょう。頭上運搬は間違いなく重労働なのであり、車などの機械で運搬することで、負担が軽減されること自体は素晴らしいことでしょう。ただ、ある習俗が滅ぶということは、一つの文化が消え去ってゆくことをも意味するのだとしたら少し寂しい気もします。大漁を祈りながら、浜で男衆の到着を待つ女性たちの後姿、大漁の時に浜に湧き上がる歓声、行商の時にお客さんと交わされる子気味のよい会話など、在りし日の面影がまぶたの裏に浮かびます。

 

参考文献:

『熊野市史』熊野市役所発行

『熊野の民俗と祭り』2002年 みえ熊野学研究会発行

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魚を食べると心が穏やかになる!

青魚などに多く含まれているDHAEPAを積極的に摂取すると頭が良くなる、という説はよく聞きますよね。実はそれだけではないようです。魚食には人の攻撃性を抑え、心を穏やかにする効果もあるようなのです。米ペンシルべニア大学教授で犯罪学を研究しているエイドリアン・レイン氏の著書『暴力の解剖学 神経犯罪学への招待』によりますと、オメガ3(DHAEPAを重要構成要素とする不飽和脂肪酸)には人間の攻撃性を減退させる効果があるとのことです。

 

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熊野の市場で揚がったばかりのマイワシです。DHAEPAが沢山含まれています。

では、なぜオメガ3には攻撃性を減退させる効果があるのでしょうか。本書で著者はこう述べています。

「オメガ3は、樹状突起の分岐やシナプスの機能を促進し、細胞のサイズを増大させ、細胞の死からニューロンを守り、さらには神経伝達物質の機能や遺伝子の発現を調整することで、脳の構造と機能を強化する。したがって、攻撃性をもたらす脳の機能不全を、部分的にせよ逆転させることができる」(高橋洋訳)

この説を裏付ける研究結果が世界中で出ているようです。例えば、イギリスのオックスフォード大学が行った研究によると、5か月に渡ってオメガ3と複合ビタミン剤を栄養補給したところ、若年成年受刑者の重大な違反を35%削減できたようです。他でもイタリアや日本の研究でもオメガ3の栄養補給によって攻撃性の減退が見られたとのことです。

 

ただ、注意しなければいけないのは、オメガ3を積極的に摂取すれさえすれば必ず攻撃性が低下するという単純な話ではないことです。攻撃性の増加や暴力の発生には様々な要因が潜んでいます。同じ栄養素だけ見ても、一つの栄養素だけではなく、様々な栄養素とのバランスが大切です。環境要因も大きいでしょう。

 

とはいっても、魚食には人の攻撃性を減退させ、心を穏やかにする効果があることはほぼ間違いなさそうです。最近、怒りやすいという自覚のある方は、積極的に魚を食べてみてはいかがでしょうか。もしくは、家族や恋人などに怒りやすい人がいる場合には、積極的に魚を食べさせてみるのもいいかもしれませんね。魚を食べると頭が良くなる、心が穏やかになる、まさに一石二鳥!!

 

参考文献:

エイドリアン・レイン『暴力の解剖学 神経犯罪学への招待』2015年 株式会社紀伊國屋書店

 

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「すり身」が世界中で大ヒット中! すり身を使ったおすすめレシピを紹介

魚のすり身は練り製品やさつま揚げなどの原料になり、日本では非常に馴染みの食材ですよね。実は「すり身」は世界共通語です。

 

英語でも『SURIMI』と呼ばれています。ヨーロッパなどでもsurimiで通じるようです。今、すり身が世界中で大ヒットしています!すり身を使った加工品、カニカマが特にヒットしているようです。背景としては世界的な魚食ブームがあります。日本では魚の消費量の減少が進んでいますが、海外に目を向けると、ヘルシーな食材として世界中で魚の消費量が増えています。すり身は加工しやすいこともブームの一因かもしれません。

 

最近、日本でもすり身を使った面白い商品がヒットしています。今年の2/8の日本経済新聞の記事によりますと、「バレンタインさつま揚げ」や「バレンタインかまぼこ」なるものが発売され、ヒットしているようです。芸術家の岡本太郎は生前、このようなセリフを残しました。

「グラスの底に顔があっても良いじゃないか」

グラスの底に顔があっても良いなら、バレンタインにさつま揚げやかまぼこを贈っても何も問題ありませんね(笑) それはさて置き、すり身は様々な可能性を持った食材であることは間違いなさそうです。

 

熊野漁協では魚のすり身を製造販売しています。その名は「熊野すりみん」!熊野の市場で揚がった新鮮な魚を市場隣接の加工場ですり身に加工しています。カンパチ、サゴシ、タチウオ、カマス、アジ、ムツ、シイラなど旬の魚のすり身を作っています。魚種ごとに味が全然違いますので、いろいろな味を楽しむことができます。個人的に一番美味しいと思った魚は、ムツとカマスです。もっちりした食感と豊饒なる旨味に満ちています。私はこれらのすり身を使った料理をいろいろと作っていますので、今回すり身を使ったオススメのレシピを3つ紹介します。

 

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こちらはムツのすり身団子のオリーブオイル漬です。

塩コショウを混ぜたすり身団子と刻んだマイタケをゆでて冷ました後、瓶に入れます。そこに生のニンニク、ディルやハーブなどの香草、柑橘の皮とオリーブオイルを入れて、一晩寝かせたら出来上がりです。オリーブオイルに魚の旨味や香草、柑橘の香りが移っていてとても美味しいです。このオリーブオイルを野菜サラダやカルパッチョのソースにするとよく合います。パスタに絡めたりしても良いでしょう。

 

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こちらはアジのすり身の餃子です。

作り方は肉を使った餃子と同じです。すり身をキャベツ、ニンニク、ニラなどと混ぜて皮に包んで、焼いて完成です。肉の餃子に比べるとさっぱりしていてヘルシーです。ビールが進む一品です。

 

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こちらはアジのすり身のそぼろ丼です。

塩をまぶしたすり身をフライパンで炒ります。水分がなくなってきたら、しょうが汁、酒をさっとかけて出来上がりです。ごはんのお供に最適です。

 

いかがでしたでしょうか。今、世界中で大人気のすり身について紹介しました。個人的におすすめのすり身を使ったレシピも合わせて紹介しました。是非、すり身料理を作ってみて下さい!おすすめの調理法などありましたら教えて頂けるとうれしいです。

 

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懐かしの熊野の漁業 今昔物語

八十キロもあるマグロのはねているのをしめて、料って食べるんですが、おいしかったね。皆が食べるマグロは赤いやろ、けど獲りたてのは薄いピンク色した半透明の肉で、 血の模様がすけて見えたもんや。

 

熊野の漁師の思い出話です。今から約30年前に書かれた『私たちの郷土』という本の中で紹介されている話です。この本は当時、荒坂中学校に通っていた中学生がまとめた郷土研究資料です。熊野市立図書館で見つけました。荒坂中学校は熊野市二木島町にあった中学校です。(現在では廃校になっています)この話の他にも、興味深い話が出ておりましたので、二つ紹介します。

 

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熊野市立図書館です。

まずはサンマ漁の話を紹介します。今から約30年前に85歳だった漁師の方が、若かりし頃のサンマ漁について語っています。ということは今から100年近く前の話になりますね。当時は機械船が導入される前で、櫓をこいで漁に出ていたそうです。当時はイルカが沢山いたようで、イルカがサンマを追い回してサンマの群れを集めてくれることがよくあったそうです。そのサンマの群れに網をかけて一網打尽にしたそうです。イルカがいないときには、サンマに向かって石を投げて、サンマを追い立てて魚群を作ったそうです。一回の漁で20トンもの水揚げを記録した時もあったとのことです。

 

次はマグロ漁の話です。今から約30年前に46歳だった漁師の方の若かりし頃の思い出話です。ということは今から50年くらい前の話ですね。当時、巻網漁でマグロを獲っていたそうです。15人程で掛け声を合わせながら、1~2時間もの間、手で網を引いて水揚げしたそうです。最後は若い衆が海に飛び込んで、暴れるマグロの尾をロープで縛って、クレーンで船に水揚げしたそうです。10時間以上も海に入っていることがあったそうで、大変な重労働だったことでしょう。その時は80kgほどのキハダマグロを千尾も獲ったそうです。

 

翻って現在。現在の漁業は機械化が進み、かつてに比べると漁師の方の肉体的負担は大幅に軽減されました。テクノロジーの進展は、利便性を大幅に向上させてくれました。大変有難いことです。と同時に失ったものもあるのかもしれません。大漁を成し遂げた時の喜びは、現在より昔の方が大きかったような気がします。苦労が大きかった分だけ、喜びもひとしおだったことでしょう。かつては、水揚げに応じて日本酒を支給する漁協もあったそうで、大漁の日は海の上で飲んで踊っての宴会をしたこともあったそうです。大海原に響く歓声がどこかから聞こえてくるような気がします。

 

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絶品! 知る人ぞ知る ヒラソウダカツオのお刺身

ヒラソウダカツオをご存知でしょうか。鮮度落ちが早いため、都市部には生食用としてはなかなか流通しない魚です。宗田節などに加工されてよく出回っています。漁獲量が少ないわけではなく、私の暮らす熊野などの産地周辺では刺身用としてもスーパーなどでもよく出回っております。値段も割とお手頃で財布にも優しいです。

 

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そんなヒラソウダカツオのお刺身、実は絶品なのです!個人的には旬のヒラソウダカツオの刺身は、本カツオをも凌ぐ美味だと思います。脂がすごいんです!全身トロみたいになっています。旬がいつかといいますと冬です。寒くなると脂を蓄えるのですね。ただ、夏場に食べたヒラソウダカツオもかなり脂がのっていましたので、個体差はあるのでしょう。

 

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ヒラソウダカツオに非常によく似たマルソウダカツオという魚がいます。マルソウダカツオは基本的に生食はできませんので注意して下さいね。私は一度試しにマルソウダカツオの刺身を食べたことがあります。案の定、当たりました。

 

いかがでしたでしょうか。新鮮な状態でしか食べることができないヒラソウダカツオの刺身は、脂のりのりで絶品という話でした。都市部ではなかなか味わう機会がないでしょう。これから本格的な旬を迎えるヒラソウダカツオのお刺身を召し上がるために、熊野にお越しください!

 

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熊野のソウルフード さんまの丸干しとは

熊野の二大ソウルフードといえば、さんま寿司とさんまの丸干しです。以前のブログでさんま寿司について紹介しましたので、今回はさんまの丸干しを紹介します。

 

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さんまの丸干しはその名の通り、さんまを塩に漬けて、そのまま丸干しした干物です。さんまというと、生さんまの塩焼きを思い浮かべる方が多いでしょう。脂の乗ったさんまの塩焼きは絶品ですよね。熊野のさんまの丸干しは、脂は少な目ですが、旨味がぎゅっと凝縮されており、生さんまの塩焼きとは一味違った一品です。サンマは冬から春先にかけて、熊野周辺の海に回遊してきます。熊野の周辺で獲れるサンマは脂が適度に抜けており、丸干しに最適なのです。

 

調理法としては、基本は焼いて食べます。七輪で炭火を熾して、炙って食べると最高です。日本酒のつまみとしても最高ですよ!個人的には、熱燗をちびちびやりながら熱々のさんまの丸干しを食べるのが好きです。もう一つのオススメはお茶漬けです。焼いたさんまの丸干しの身をほぐしてご飯の上に乗せます。熱々のお茶を注いでお召し上がりください。さんまの旨味とお茶の風味がとてもよく合います。何杯でもご飯が食べれますよ!熊野の人々は、さんまの丸干しをご飯のお供、酒のつまみだけではなく、おやつ感覚で食べます。5本くらいはぺろりと平らげてしまいます。まさに熊野のソウルフード

 

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シーズンの冬から春先になると、熊野の海岸沿いにはさんまを丸干しする風景がよく見られ、風物詩となっております。冷えた、きれいな潮風に揺られて、旨味いっぱいのさんまの丸干しが出来上がるのですね。熊野の自然と伝統に育まれたさんまの丸干し、是非ご賞味ください。熊野の干物屋さんであれば、ほぼどこでも扱っています。お店ごとに味の違いがあり、食べ比べも面白いですよ!

 

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